気候科学の冒険者 -温暖化を測るひとびと-

最前線の研究者が語る、気候科学の「サイドストーリー短編集」


この本には東京大学気候システム研究センター教授である著者がホストとなって開催されたサイエンスカフェの、第一回から第五回までの模様が対談形式で納められています。
サイエンスカフェとはサイエンスに関するさまざまな話題について科学者と一般の人が対話できる場です。その特徴から、難しい研究テーマでも順序立てて、なるべく一般用語でわかりやすく解説してくれるところから始まります。

気象学を物語の本流とするなら、こちらはスピンオフ、サイドストーリーの短編集というような本です。それぞれの回の科学者たちが学生時代に出会ったテーマと向き合い続けた結果、その分野での第一人者となり、世界でも重要な研究者として最前線に立っている様子がわくわくします。

第一回では著者の中島映至さんが大気放射学で博士号を取り、NASAで経験を積んだあと、同センターの研究者たちと雲やエアロゾルの影響を組み込んだ『大気海洋結合気候モデル』を作り上げるまでが語られます。このモデルはCO2の排出計算など要素をたくさん盛り込んでいるのが特徴で、地球温暖化という言葉が広まるずっと前からの研究が結実し、他分野の研究(例えば生命科学の昆虫の研究や、工学部での水の管理の研究など)でも将来の地球環境のシミュレーションをするモデルとして幅広く活用されるようになってるというお話です。

その他、この本では以下のように続きます。

第2回:温室効果ガス(特にCO2)の観測と、それが地球温暖化へ与える影響について
第3回:気候システムセンターの立ち上げについて
第4回:グローバルな水循環や世界の水問題について
第5回:環境問題を“伝える”技術とは

最先端のさまざまな研究の世界を楽しく覗き見できる、知的好奇心を大いに刺激してくれるおすすめの本です。

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