雲の王(川端裕人)

気象の「映像」が見える

高層気象台に勤める美晴は、天気を「よむ」能力を持つ一族の末裔。長年行方不明だった兄からの手紙をきっかけに能力に目覚めた美晴は、同じ能力を持つ息子の楓大と共に、壮大な気象実験の渦へと巻き込まれていく――。

著者の川端裕人さんは、元日本テレビの記者として気象庁などを担当された経歴の持ち主。そのため、作中にはこれでもかというほど専門的な気象用語が登場します。

一見難解に思えますが、風の流れが見える美晴、空気の寒暖が色で見える楓大の目を通して、気象現象が綺麗な映像として読者に伝わってきます。特に前半、美晴が都市型集中豪雨とダウンバーストを「目撃」するシーンの臨場感は圧巻です!

まずは物語としてハラハラ楽しみ、2周目で気象現象を深掘りする。そんな「2度美味しい」読み方ができる一冊です。


【この本で学べる気象学キーワード】

・GPSゾンデと高層の風
・都市型集中豪雨・局地気象モデル
・熱帯の乾季・雨季とモンスーン
・台風

雲の王 (集英社文庫) [ 川端裕人 ]

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