身の回りの「微気候」から世界が広がる。「空の一族」シリーズ第2巻
元准教授の八雲助壱は、身の回りの気候「微気候」を活かした家づくりの会社を立ち上げるも苦戦中。そんな折、記者である元教え子から、屋内で雲を発生させるアーティストの取材に誘われます。そこで八雲が預かった“小瓶”に託された思いとは。
『雲の王』を1作目とする「空の一族」シリーズの2作目です。壮大な気象現象を題材にした前作と対比するように、今作は身の回りの“微気候”を視点とした連作短編集—-かと思いきや、中盤に差し掛かるあたりで一気に物語りが加速し、それぞれの主人公たちの物語が交錯していきます。
物語りの全体を包むトーンは恩田陸さんの『光の帝国』を彷彿とさせます。少し不思議な能力を持った人々が優しく穏やかにひっそりと日々の暮らしを送っている物語り。ファンタジー好きにもおすすめです。
【この本で学べる気象学キーワード】
微気候:主人公の八雲は特に空気の流れを敏感に感じ取り、温度調整をするために風の方角を考えながら窓の開け閉めをする描写がたくさん出てきます。日本家屋の植栽を通って屋内に流れ込んだ風は夏でも気温が下がって涼しいなど、言葉の定義を辞書で見ただけではイメージつかない“微気候”を身近に感じられる本です。

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